実際にプロンプトを作成する方法
プロンプトは、最初から完成した文章を書く必要はありません。まず目的の概要をAIに伝え、回答を確認しながら不足している情報や条件を追加します。
- やりたいことの概要を伝える
- 不足している条件を整理する
- 必要な資料や見本を与える
- 希望する出力方法を指定する
- AIに実行用プロンプトを作らせる
- 実行結果を確認して改善する
まず目的の概要を伝える
最初に、やりたいことを短く伝えます。
社内向けの会議案内メールを作成したい。
この時点で情報が不足していても問題ありません。AIの回答を見ながら追加するか、不足している内容を質問させます。
また、「売上データを分析する」のように作業だけを指定するのではなく、「売上が低下した原因と、来月優先して確認すべき項目を整理する」のように、最終的な目的まで伝えます。
同じ内容でも、開発者、管理者、一般利用者では必要な説明が異なります。必要に応じて、誰が何に使うのかも伝えます。
不足している条件を整理する
AIに必要事項を質問させる
ゴルフコンペの案内文を作成したい。必要な情報を重要なものから一つずつ質問してください。情報が揃ったら案内文を作成してください。
一度に確認したい場合は、「必要な情報を質問一覧として表示してください」と指定します。
AIに判断させる範囲を決める
見出しや文章の順番などはAIに任せられます。一方、日時、金額、申込条件など、勝手に変更されると困る内容は明確に指定します。
- 自分が決めること
- AIに任せること
- 不明な場合に確認させること
この3つに分けると、依頼内容を整理しやすくなります。
条件に優先順位を付ける
「詳しく説明する」「専門用語を解説する」「300文字以内にする」など、同時に満たしにくい条件がある場合は優先順位を示します。
正確性を最優先とし、次に重要事項の網羅性を優先してください。その範囲で、できるだけ300文字以内にまとめてください。
必要な資料と見本を与える
文章の用途、対象読者、現在困っていること、残したい内容、変更してよい範囲などの背景を追加します。
社内掲示板に掲載する案内文です。全社員が対象で、参加を強制するものではありません。日時と申込方法は変更せず、文章だけを読みやすくしてください。
正確な情報が必要な場合は、メール、会議記録、規程、製品資料、PDF、表計算ファイル、コードなどを添付し、どのように使うかも指定します。
添付した規程を根拠に回答してください。記載されていない内容は推測せず、「記載なし」と表示してください。
希望する形式や文体を言葉で説明しにくい場合は、見本を与えます。見本の内容を引き継がせたくない場合は、何を参考にするのかも明確にします。
出力方法を指定する
必要に応じて、回答の長さ、詳しさ、対象読者、文体、形式、必要な項目、並び順を指定します。
- 手順は番号付きリスト
- 複数案の比較は表
- 短い要点は箇条書き
- そのまま使う文章は完成した本文
- プログラムで処理するデータはJSON
形式が重要でなければ、AIに読みやすい形を選ばせることもできます。
AIにプロンプトを作らせる
現在は、利用者がプロンプトを一から作る必要はありません。AIに作らせる方法は主に2通りあります。
- 目的と条件を伝えて、そのままプロンプトにしてもらう
- AIに不足事項を質問させてから、プロンプトにしてもらう
目的と条件を伝えて作らせる
条件がある程度決まっている場合は、整った文章にせず箇条書きで伝えて構いません。
Codexにフロントエンドのバンドルサイズを改善させたい。まず原因を調査する。警告だけを消す変更は行わない。実際に初回ロードが減る変更だけを行う。既存機能は変更しない。修正後にビルドとテストを実行する。最後に変更内容と効果を報告する。この内容を、そのまま実行できるプロンプトに整理してください。
条件が未整理なら質問させる
新しいパソコンを選ぶためのプロンプトを作成したい。まだ条件を整理できていないため、適切な候補を選ぶために必要なことを重要なものから一つずつ質問してください。回答が揃ったら、製品を調査・比較するためのプロンプトを作成してください。
依頼内容を勝手に広げさせない
私が伝えた目的と作業範囲を変更しないでください。不足情報がある場合は、推測して追加せず質問してください。任意の改善案はプロンプトに組み込まず、別に提案してください。
実行前にプロンプトだけを表示させる
この段階では作業を実行しないでください。最初に実行用プロンプトだけを表示してください。内容を確認してから、別途実行を依頼します。
ファイル変更、メール送信、記事公開など、結果が外部へ反映される作業では特に重要です。
作成されたプロンプトを点検する
目的、背景情報、作業範囲、制約、不明時の対応、テスト方法、完了条件、報告内容が正しく含まれているか確認します。
このプロンプトについて、目的が明確か、情報不足や条件の矛盾がないか、AIが推測しなければならない部分がないか、作業範囲と完了条件が明確かを点検してください。最初に問題点を説明し、その後に元の目的を変えず改善版を表示してください。
実行結果から改善させる
実際の結果に問題があった場合は、期待と異なった部分を具体的に伝えます。
このプロンプトを使用しましたが、重要な依頼事項が要約から抜けました。原因を確認し、元の目的や出力形式を変更せずに改善してください。
再利用できる形に整理させる
ここまでの会話で決めた条件と修正内容を反映し、次回は一度の入力で使用できるプロンプトに整理してください。毎回変更する部分は、[対象]や[目的]のような入力欄にしてください。
人が決めるのは目的、重要な条件、AIに任せる範囲、完了の判断です。AIには、それらを漏れのない実行用の指示へ整理する作業を任せます。
実行結果を確認して改善する
一度の回答で完成させようとせず、まず実行して期待と違う部分を確認します。「違う」「もっと良くして」ではなく、どこをどう変更するかを具体的に伝えます。
要約が長すぎます。経緯の説明は省略し、決定事項と今後の対応だけを残してください。
改善では、条件の追加だけでなく、不要または矛盾する条件の削除も検討します。期待する結果が得られたら、会話中の修正を一つの再利用可能なプロンプトへ整理させます。
うまくいかないプロンプトの共通点
- 目的や利用者が曖昧
- 判断に必要な情報が不足している
- 条件が多すぎる、または矛盾している
- 出力形式だけを指定し、項目の意味を定義していない
- 存在しない情報まで必ず回答させている
- 一度に多くの作業を依頼している
利用時に注意すること
AIの回答をそのまま事実とは考えず、固有名詞、日付、金額、法律、医療、製品仕様などは確認します。最新情報が必要なら時点を指定し、Web検索と出典を求め、可能な限り公式の一次情報で確認します。
顧客や従業員の個人情報、非公開の契約、未発表情報、医療情報、本番環境の認証情報などは安易に入力しません。パスワード、APIキー、秘密鍵はプロンプトや添付ファイルに含めないことが基本です。
